電車での出来事

こんにちは 管理部日常班の細川です。

東京は桜の開花宣言もされて、いよいよ春が近くなってきましたね。
なのに、ここ数日冷たい強い風が吹いたりしてなかなか暖かくなりません。
まだまだマフラーも必要ですし、真冬の格好で外出しています。
早く春らしい穏やかな気候になってほしいですね。

さて…… 今回のブログなのですが……
そろそろ…… 何を書こうか……
ストックがなくなってきました。

なので、こないだ電車で起きたことを記事にしたいと思います。

仕事の移動で電車の座席に座っていた時に、駅に着いて何人かの人が
電車に乗ってきました。
自分が座っている席の方に70代後半ぐらいのおばあちゃんが
歩いてきたので、これは席を譲ろうかなあと思い、どうぞと声をかけようとしました。
ところが、その後ろから歳はおばあちゃんよりも若そうなのですが、右足を怪我して
松葉づえをついたおじいちゃんがやはり自分の席の方に歩いてきたのです。

むー、これはどちらのご老人に席を譲るべきだろうか……。
後ろからきたおじいちゃんが怪我をしていなければ、悩まずに最初のおばあちゃんに
席を譲ったんだけど。
おばあちゃんよりも少しは若いとはいえ、足がかなり不自由そうなおじいちゃんの方が
立っているのが辛いような気がする。

隣に座っている、知らない人も席を譲ってくれれば二人とも座れるのにな……
そう思って右を見てみると、隣のサラリーマンは爆睡しております。

いやー、悩むなあ。どうしようか。でも、悩んでこのまま自分が座りっぱなしなのは
明らかに間違っている。

意を決して、僕は席を立ちました。
何も言わずに、沈黙を保ったまま。
どちらが席に座るのかはお二人の間で判断してほしい。

なんと無責任な善意でしょうか。

僕は自分が座っていた座席から少し離れて、どちらが座るのかこっそりと成り行きを見守っていました。
二人とも自分が座るべきかどうか、決めかねているのでしょう。
どちらもなかなか座りません。

車内は結構な人が乗っているので、二人が言葉を交わしたのかはここからでは
全くわかりません。
でも、僕が座っていた席は空のまま。紺色に近い青のシートがはっきりと見えています。

とうとう、自分が降車すべき駅につきました。
なんでしょう、心は何か得体のしれない罪悪感に包まれています。
自分は席を譲ったのに……
座っていた席を断腸の思いで手放したのに……
なぜ、こんな思いをするのでしょうか。

電車を降りるとき、最後にもう一度あの座席を確認してみました。
二人のご老人はやはり立ったままです。
でも、座席は空ではありませんでした。
座席には小さなぬいぐるみを持った、5歳ぐらいの女の子が座っていました。
女の子は上を見上げて、笑顔でなにか話しています。
その前に立っている70歳ぐらいのおばあちゃんと怪我をしているおじいちゃんは
下を向いて笑顔で話しています。

電車を降りた僕は複雑な気持ちでしたが、結局自分は良いことをしたのではないかと
やはり笑顔になりました。

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